公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会 会長 瀬川 信義
新年あけましておめでとうございます。
会員の皆様には清々しい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。日頃から本部並びに支部事業に格別のご支援ご協力を頂き、心より御礼申し上げます。
〈コロナ禍という未曾有の危機を乗り越える〉
昨年、世界を震撼させ大流行した新型コロナウイルス感染症について、アメリカ・イギリスでワクチンの投与が開始されるなど明るい兆しが見えつつあるとはいえ、我が国では全国的に感染者数、重症者数が増加し、今なお収束が見通せない厳しい状況にあります。このような状況の中、昼夜を問わず新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける医療などの現場の皆様の献身的な御努力に敬意を表するとともに、心からの感謝を申し上げる次第です。
さて、私ども不動産業界を取り巻く環境は、依然として先行きが不透明で、予断を許さない状況にあるといえます。昨年の9月には菅首相が誕生し、前政権の経済政策を継承することを鮮明にしながら、新型コロナウイルス感染症対策として東京都と連携して様々な財政支援策を講じて頂いておりますが、このコロナに起因する経済の停滞期を脱し、安定した経済回復軌道に乗るかどうかを予測することは困難であります。
当協会においても、会員の皆様の多くが新型コロナウイルスの影響を受け、対面活動の抑制による顧客の来店数や内見数の減少等で経営的に大変厳しい状況が続いておりますが、本年も昨年に引き続き、感染拡大防止対策に取組みながら、会員の皆様と一丸となって業務が継続できるよう努力してまいります。
一方で、コロナ禍の中、不動産業界の働き方改革が大きく前進するという側面もありました。非対面の業務に対するニーズが高まり、映像通話ツールによる非対面での接客やIT重説の実施、VR機器等を使用した遠隔での内見案内等のサービスが登場し、普及が進んでおります。
当協会としましては、感染拡大防止対策を講じた「新たな日常」を一つのきっかけと捉え、デジタル技術の活用も含め社会経済環境の変化に柔軟に対応しながら、コロナ禍という未曾有の危機を乗り越えて、不動産業界として成長してまいりたいと考えております。
〈「新たな日常」下で効率的に事業を推進する〉
私は、昨年5月の定時社員総会で四期目の会長職に就任させて頂きましたが、皆様のお陰をもちまして、着実に会務を執行してまいりました。
昨年は新型コロナウイルスの影響により、中止を余儀なくされた事業もございました。一方で、非対面のWEB研修を導入していたため、本部主催研修会として実施し、多くの会員の皆さまに受講していただくことができました。
また、昨年中止となった事業についても、本年は感染状況を注視しつつ、感染拡大防止対策を万全にして実施できるよう検討を進めてまいります。
引き続き、公益法人として求められる事業を進展させることや、東京都をはじめ行政の各種審議会等への役員派遣による行政への協力を行うこと、そして、会員支援の充実を図ることなどを念頭におき、今後とも当協会の発展のために邁進いたします。
会務運営についても、ウイズコロナ・ポストコロナ社会を見据えて、WEB会議の開催継続、テレワークの一層の推進を行うとともに、ICT等のデジタル技術を活用し既存の仕組みを見直し、業務の効率化を図ってまいります。
昨年8月には、全国宅建政治連盟の会長に就任いたしました。就任後、いち早く、コロナ禍での税負担増を回避するため、固定資産税の負担据置きや、住宅ローン減税の面積要件の引き下げ等の要望活動を行い、国の令和3年度税制改正案に反映させる等の成果を収めることができました。
〈当協会の明るい未来を切り拓く組織財政改革を実施する〉
現在、当協会の中長期・安定的な組織運営のための組織財政改革に取り組んでおります。
今回の組織財政改革の検討に当たっては、このままの組織体制・会務運営では早晩運営が立ち行かなくなるとの強い危機感・強い決意のもと、組織財政のあり方を抜本的に見直す方向で改革に向けた検討を行っております。
今後、将来の当協会発展を見据えた新たな組織執行体制の構築に向けて、各種規程、財務体制、事業執行体制についてそれぞれ見直しを図ります。より一層効率的に事業執行が行える体制を確立し、会員の皆様を支援する力を高めてまいりたいと存じます。
〈公益社団法人としての責務を果たす〉
さて、昨年は新型コロナウイルスの影響により、東京オリンピック・パラリンピックが延期となりましたが、改めて開催予定日まであと半年余りとなりました。新型コロナウイルス感染症の収束は未だ見通せない状況ではありますが、感染拡大防止対策を万全に施した上でのオリンピック・パラリンピックの開催により、停滞した世界経済が活性化するとともに、新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証として成功を収め、明るい未来につながってくれることを期待しております。
厳しい状況はまだまだ続くと存じますが、業界が一致団結してこの難局に立ち向かっていかなければなりません。この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っております。
また、本年も公益社団法人として求められる責務をしっかり果たし、皆様とともに当協会の充実を図ってまいりますので、皆様の一層のご理解ご協力をお願い申し上げます。
新しい年が皆様にとりまして、また業界にとりまして更なる発展を遂げる飛躍の一年となることを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。